進駐軍ソング EP盤 [その他]

China Night
A-1 China Night - 胡美芳
A-2 Japanese Rumba - ノーメン西本、ジョージ島袋
B-1 Gomen Nasai - リチャード・バワーズ
B-2 The Soba Song - 美空ひばり
Columbia BB-1
ヒットした進駐軍ソングをまとめた、おそらく駐留している米国人向けのEP盤である。発売日時は不明だけど昭和30年前後のリリースであると推測され、以前記事にしたジャパン・セイルズの時期と当然リンクしている。しかし、このEP盤は同じ基地内でもジャパン・セイルズが置かれていた店頭に並んではおらず、正規ルートを扱うお店で販売されていたように思う。だけども、これらのレコードが同じお店で販売されて、尚かつ米盤やラテンものもごちゃ混ぜで売られていたのなら、それは想像するだけでかなり楽しいものとなる。
このEP盤はジャケを見ているとほとんどアメリカ盤のようで、サブ・タイトルには「World Famous Jpanese Hit Melodies」と記されている。裏には歌詞がそれぞれ記載されているが、すべてローマ字読みで、要するに米国人にも唄えるようになっているのである。
A-1 のChina Night は「支那の夜」で、昭和13年の渡辺はま子のヒット曲だ。同タイトルの国策映画が制作されたのが15年(1940)である。この曲はプロパガンダとしてよく電波にのっており、かなりの人気だったようだ。終戦後もこの曲に対する需要はかなりあったのだろうが、この曲は米国に接収され、中国側からは「支那」という呼び名にクレームがついており、唄う事に関しては困難を要したようである。しかし、米国の要望にも答えるために新しくレコード化する事になったと思うのだが、昭和25年にはま子はコロムビアを去りビクターに復帰していたため、白羽の矢が立ったのが胡美芳だったのだろう。胡美芳(コビホウ、Ho Mei Fan)は和歌山出身の中国人歌手で李香蘭のカバーなどもしており、透き通るような良く延びる声はとても魅力的で、バックの女性コーラスも効果的に思う。彼女は数年前まで慰問などで活躍しておられたようである。
A-2 のジャパニーズ・ルンバはお馴染みである。唄っているノーメン西本、ジョージ島袋ともハワイの方であるが、SPのレーベルにはノブオ西本と記されている。EPに記されている”ノーメン”の名前では「恋の島」という唄を聞く事が出来る。(CD南国の果実)ジョージ島袋も「マイ・デァ・トウキョウ・ガル」「マイ・トウキョウ・ルンバ」という曲もあるのだが僕は聞いた事が無い。この曲、レイモンド服部のアレンジが良い。
B-1 は「ゴメンナサイ」。サクラのイントロから始まるこのリチャード・バワーズの唄は、米兵の間でかなりの人気を博したようだ。夜な夜な街に繰り出しては日本女子に「ゴメンナサイ」を連発したに違いない!? バワーズが帰国してからもこの曲は米国でシングル発売されたらしく、その人気の程がうかがえる。そして、米本国で日本人歌手がこの曲を唄う事となり、そこで抜擢されたのが Chiemi Eri であった。SP盤 Federal 12140 として53年にSP発売されている。(A- Gomenasi B- Pretty Eyed Baby、Aはミス・プリント) 同じキング系という事でフェデラルからの発売だったと思うのだが、日本では歌詞の問題もあってか、発売に至ってはいない。チャック・ミラー・トリオの伴奏。当時、アメリカのレコード店のエサ箱にはフェデラルのコーナーにリトル・エスターの盤と共にChiemi盤があったのかもしれない。この江利チエミの唄はヒット・チャートにも登場したらしいので、持ち帰られた進駐軍ソングはちょっとしたジャパンブームとなり人気があったのじゃないだろうか? 「ゴメンナサイ」という日本語の認知度は高いに違いない。スリム・ゲイラードも53年にこの曲を録音しているが、さすがにカッコいいのである。
この動向を凝視していたコロムビアは、立川基地で流行っていたボビー・ノートンの曲を日本語訳し発売する事を決定する。それが B-2 の「The Soba Song」-チャルメラそば屋-だ。(53年8月発売) スティール・ギターも快調なウェスタン・スウィングであるが、それにしてもこのヴォーカルよ!! 美空ひばり当時16才である。前半は日本語、後半は英語であるけれども、よく述べられるように英語に対する感覚は素晴らしく、全く何のてらいも無く唄いきっている。しかしそれは「お安い御用」であったかも知れない。だって、あんなに素晴らしく「日本語」で唄うのであるから、彼女にしてみれば、「英語」は容易い作業であったように思えてならない。日本語で唄う事に対しての妥協を許さない部分が、後の「ひばり節」に繋がったようにも思える。
ジャケ裏のこの曲の歌詞に、「Ossan Paiichi - Gokigen」という箇所があるのだが、(この部分のひばりはキュート!)改めてこうして活字で明記されると、何だかおかしい。これから飲んだくれを見つけたら、頭文字を取って「OPG」と呼ばせてもらおう。
「うわぁ、こいつ、OPGや!!」 こんな感じである。







まいど!OPGです!
う~ん、これはなんとも興味深いレコードですね!
これもやはり、進駐軍基地内の売店"PX"のみの販売だったような気もいたしますが、どうなんでしょうね。
これに似た趣向の10インチをネットで見たことあります。
『チャルメラそば屋』が入ってるだけで欲しくなる!
by t-42 (2007-07-15 09:55)
ミスターOPGさま、まいどです!
このEP盤は米のディーラーからのものですので、持ち帰られたように思えるのですが、ジャケ裏には値段が表示されていて ¥700 となってます。なので、基地内だけの販売という事でもないのでしょう。しかし700円は高い!! 当時のレートでは 2ドルぐらいなんですかね。値段の部分は黒く塗りつぶされておりましたが。
by pei (2007-07-15 10:41)
そういえば何年か前に、アメリカ人のセットセール・リストでChiemi Eri のフェデラルの45を見たことありますが、10ドル以上してたので手が出ませんでした。10ドル以下なら欲しいところですが・・・
by t-42 (2007-07-16 08:45)
シングルもあるのですね、やっぱり。SPのリストで見かけましたが、シングルよりも安く入手を考えるのならSPでしょうか。いずれにしてもそんなに高値のもんじゃないと思うのですが、僕も10ドルまでですね。しかし、未聴なので聞いてみたいですけど。
by pei (2007-07-16 09:50)
此の時代の曲は、今聞くと(初聴きなので)最新曲ですよね
私のお気に入りは、笠置シズ子の東京ブギウギ
そして、うめ吉の新録?
高座で無くライブ、動くうめ吉を見てみたいですね
by BeBopBoy (2007-07-18 16:04)
BeBopBoy さま、初めまして!
>今聞くと(初聴きなので)最新曲ですよね
ところがですね、年を喰って来つつある僕としましては、サブリミナル効果の如く、何処かに記憶のある曲ばかりなんです。ガキの頃に聞いたような。懐かしさはないですが。
うめ吉さんは聞いた事が無いのですが、写真を拝見してますと、大好きだった吾妻ひな子さんを思い出します。若い時はひな子さんも美人だったようですからね。
今後ともよろしくお願いします。
by pei (2007-07-18 21:53)
懐かしいというべきか、辛うじて名前を知っているというべきか。
李香蘭なんて、誰がか言える人は、平成生まれではまず居ないはず。
こんなレコードが出ていたんですね。
そして、これから数年後には、お馴染み坂本九の「スキヤキ」が流行ったというわけですね。
ところで、リンクさせて貰いましたよ。
オギテツ
by ogitetsu (2007-07-19 02:34)
>オギテツさん
早速のコメントありがとうございます!
僕もリンクさせて貰いました。
しかし、「スキヤキ」以前にヒット・チャートに顔を出した江利チエミも記憶しておきたいですね。
今後ともよろしくお願いします。
by pei (2007-07-19 16:27)
そう言えば、「ミネソタ(?)の卵売り」という曲も有りましたね。家の姉が、「コッコ、コッコ、コケッコー」と良く口ずさんでました。
オギテツ
by ogitetsu (2007-07-20 02:52)
名前が出てこないので調べてみると、そうです、暁テル子の歌ですよね。しかし関西人の僕は、やすきよの漫才ネタでの「コッコ、コッコ、」を思い出してしまうのですよ。刷り込まれてるのかも。やすきよは趣味じゃないのですが。
by pei (2007-07-20 16:57)